2012年をふり返って

いよいよ今日で今年も終わりですね・・・ここ田川では,昨日からぐっと冷え込んで雪が舞っています。

今年1年たくさんのご支援・ご協力いただきありがとうございました!おかげさまで,少しずつではありますがTFGも確実に成長していると感じています。

さて,今年の1年をふり返ってみると,子ども達にとってはやはり厳しい社会状況の1年であったなと思います。工藤の今年の講演会は45ヶ所,当塾への視察が大きなもので17件,保護者からの相談件数は120件以上ありました。保護者からの相談内容も,薬物,家庭内暴力,家出,窃盗,性被害など・・・多岐にわたっています。そして,保護者はその状況の中で子どもと共にきつい思いをしています。先が見えない状況はとてもきついのですが,共に悩み苦しんでいるケースはきっと近い将来で光が差してくると思われますが,完全にその関係を絶ってしまおうとするケースは,目の前は楽になるかもしれませんが,その先の光まで絶ってしまっているように思えてなりません。子ども達が見せる非行の厳しい姿は,私たち大人や親のモラルやマナーなど,心の中を映し出していると思います。

先日塾を抜け出し,再び警察のお世話になったYTが鑑別所から工藤に手紙を送ってきていました。目の前の欲望に負けてしまったときには見えなかったものが,自分と対峙する時間と空間が与えられることで,見えてくるんですね・・・でも,こうして何度も繰り返さないとわからないのかもしれません。しかし,工藤はこの子達を諦めて,関係を絶つことだけはしません。ここが,山ちゃんよりも辛抱強く,自分自身が這い上がってきたからこその信念が見せる行動なのでしょうね。

そんな工藤の情熱が,今年も様々な分野で認められました。今年は大きなものを3つ紹介します。

まず1つ目は,工藤が10月3日に,なんと警察大学校で講師として講演を行いました。警察大学校は,警察上級幹部に対し必要な知識、技能、指導能力及び管理能力を修得させるための教養を行うほか、警察業務に関する研究を行うところだそうです。ここで,幹部候補の警察官にTFGのことや,少年らとの関わりを話させてもらいました。この講演は校長である田村正博警視監が声をかけてくださって行われたものでした。田村さんは以前福岡県警本部長としてご活躍されており,そのときにフォーラムに呼んでいただくなど工藤に目をかけてくださっていました。工藤も,中央から派遣されたキャリアの人かと思っていたら,すごく波動があうし,男気があっていい人!山ちゃんも会ってみたらいいよ!と話していた方です。以前,「打倒!福岡県警!!」なんて言って,警察のお世話になっていた少年が,警察大学校で講演を行ったのです^0^びっくりですよね!良も,さすがに緊張したと言っていました。

2つ目は,内閣府青少年育成リーダー研修会の近畿ブロックの講師に任命されたことです。一昨年から,内閣府から声がかかって青少年健全育成に関してアドバイザー的な位置で会議に参加してきました。そして,今年は中央研修ではなく全国を8ブロックに分けての研修会になったのですが,その近畿地方の講師として任命され,全国的にも難しいと言われる近畿地方を任されました。

そして,3つめは天皇誕生日御下賜金をいただいたことです。これは,天皇誕生日に宮内庁より更生保護に関わる団体に与えられるもので,今年は全国で8団体がこの御下賜金をいただきました。さらに,NPO団体,民間としてこの御下賜金をいただくのは全国初と言うことで,福岡保護観察所の方々も喜んでくださいました。
で,12月27日に福岡検察庁でその伝達式がありました。事前のリハーサルではこの通り緊張していました^0^ 

 

表彰状や御下賜金は白い手袋をしていただくという厳粛な雰囲気の中で,工藤はTFGの設立の経過と先日卒塾したCMのことを踏まえて,工藤らしい謝辞を述べました。残念ながら,本番のようすは山ちゃんも写真に撮ることができませんでした。
主催者のあいさつでTFGのことをボランティア時代からの経過と少年に特化した更生保護事業とその業績について触れ,私たちの活動を高く評価していただいていることが伝わってきました。

田川市からは,尾垣教育長と中野校長が式に参列してくださいました。

 

で,これがその表彰状!?と御下賜金です!福岡保護観察所の方が,額に入れてくださいました。
宮内庁からの賜り物などはじめてみました!!シンプルですが,なんかちょっと雰囲気がありますね。

というように,大きな出来事を3つ紹介させてもらいました。これらの評価に驕れることなく,これからも目の前の一人ひとりを大切に,日々精進を重ねていきたいと思います。

最後に,応援してくださっている皆様にご報告があります。更生保護事業も,NPOの支援活動も,悲しいけど多くの要望があります。現在の家屋は借家で4名の定員ですが,このたび10名程度を定員とする新たな施設の建設を予定しています。これまでも,何度か施設の建設を試みてきましたが,私たちのような小さな団体に大金を貸してくださるところがなく,実現できませんでした。しかし,株式会社マキテック様より,返済は少しずつでよいから・・・とありがたい声をかけていただき,施設の建設に向け,現在話を進めています。私たちにとっては莫大な費用ですが,足場を固め,確実な歩みを進めるために清水の舞台から飛び降りるつもりで,動いています。

来年も,TFGならではの,TFGにしかできない活動を展開していくことを皆様にお約束致します。これからも,多くのご支援とご協力をお願い致します。

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